かくれがデンキース
Den Den Keith

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萌尽狼もえつきろ presents

読み聞かせが得意なヨミ・キカセと電気椅子を持つデン・キースの奇妙な関係。
特殊性癖を扱った一次創作小説です。挿絵はAmuse AIで生成しています(R15)

かくれがデンキース (011) 〜 (020)

ヨミが学園から姿を消した。デンは家庭訪問して糸口を探り、モノになりたいヨミの食欲を居酒屋で満たそうとする。

(011) 満月の廊下に陶酔

既に門限は過ぎていた。「今日は満月よ。さあ少しお散歩しましょう。何を怖がっているの? 誰も来たりしないわ」
月明かりに照らされて薄明るい廊下をヨミは体を強張らせながら歩いている。リノリウムの床に触れる素足が冷たい。
昼間は闊歩している廊下も果てしなく長く感じられ、ヨミの身も心も麻痺させる。一歩ずつ脳内を快感が駆けめぐる。
ヨミの息づかいが荒くなる。この状況に陶酔し興奮しているようだ。「いけないことをして、とても愉しいでしょ?」
「はい先生……気持ちいいです……」「ヨミは良い子に育てられすぎたのね。そうよもっと悪い子になりなさい……」

(012) もう我慢できない

「先生もう我慢できないんです、弄んで!」「ここでしろって言うの? 誰がおねだりしていいって言ったかしら?」
放課後、空き教室でヨミは目を潤ませた。「悪い子になりなさいって言ったの、先生ですよ」「だからってここで?」
デンの困惑をよそにヨミは制服を脱ぎ始めた。中から黒い革ベルトで縛られたヨミの姿が現れた。自縛していたのか。
「私もうこっちが普段着だと思ってるんです」悟ったようにヨミはつぶやく。心のタガが外れてしまったのだろうか。
「いつもこうしているの?」「はい」「変態」「先生こそ」フフフ、アハハと二人の不気味な笑い声が教室に響いた。

(013) モノになりたい!

初めのころは何が何だかわからなかった。服を脱がされ縄で縛られ吊るし上げられる度に激しく抵抗した。怖かった。
それが今では縛られる悦びをひしひしと感じている。身も心も変わってしまった。首輪も猿轡も枷も全てが愛おしい。
身動きもできず声も出せずただ荒い息を漏らして涙を流す事しかできないのになぜこんなにも充実しているのだろう。
今までの私は偽物だったのだろうか。保育士として立派な社会人になるということはただの言い訳だったのだろうか。
体が熱くなる。私にはもうデン先生しか見えない。私デン先生のモノになりたい! ずっとずっとこうしていたい……

(014) ヨミの恍惚と噂話

「次キカセさん、読んでください。キカセさん?」ヨミは恍惚とした表情でデンを見つめている。クラスがざわめく。
「ちょっと、呼ばれてるわよ」隣人に小突かれてようやく気付いたヨミは慌てて立ち上がるが読み方がたどたどしい。
「やっぱり彼氏かな?」「きっとそうだよ」クラスがヨミの噂話で盛り上がり始めた。「静かに!」デンが声を張る。
その後もひそひそ話が絶えることはなかった。近頃のヨミはいつもうわの空で授業に身が入っていない。困ったなあ。
隠れ家でデンにだけ見せるヨミの表情がここ数日で見違えるほど変わったと思ったが、日常に悪影響を及ぼしていた。

(015) うわ言を繰り返す

「私はデン先生のモノです」目はうつろで身じろぎもせずヨミはうわ言のように繰り返した。「デン先生のモノ……」
「あなた本当にそれでいいの? 保育士になるんじゃなかったの?」ヨミの肩を掴みデンは問いただす。返事はない。
ある日突然ヨミが学園や寮から姿を消したので、みんな心配している。子供たちもヨミが来るのを楽しみにしている。
「私はデン先生のモノです」「絵本の読み聞かせが得意なヨミはいったいどこへ行ってしまったの?」デンは涙ぐむ。
私はヨミが怖い。どうしてそこまで自分を消して私のモノになろうとするのか。それが本当にヨミの望んだ姿なのか?

(016) ヨミの絵本は絆だ

「ヨミは中卒で就職して私たちを楽させたいと言っていたんです。けれど主人が頑なに拒んで、それで進学しました」
授業料無償化で渋々高校に通わされていたようだ。そのうえ進学だなんてかなり無理をしていたのではないだろうか。
「絵本の読み聞かせが得意だなんて初耳です。おじいちゃんは奥で寝てますが、あまり話したがらない人ですし……」
絵本を好きでいることがヨミと家族をつなぐ絆だったのかもしれない。だがその絆よりもデンとの関係が強くなった。
突然の家庭訪問にもかかわらず母トキはデンの質問に快く応じた。だがその答えはヨミの心の闇を一層深くしたのだ。

(017) からっぽな女の子

デンはヨミの心を読み違えたことを悔やんでいた。卒業生たちはあくまで気晴らしの場として隠れ家を利用していた。
ヨミはデンに生きがいを求めている。ここにいていい理由を欲している。その為ならどのように弄ばれても構わない。
もしヨミが絵本を心の檻に閉じ込めて、デンのモノとして振る舞うことに満足感を得たとしても、本当に幸せなのか?
ヨミはからっぽな女の子だ。絵本の読み聞かせが得意という一点突破型ゆえに保育士になる目標が足枷になっている。
快楽に溺れて私のモノになるほうが楽。だが教師としてそれを許すわけにはいかない。まだできることは何かないか?

(018) 遠慮せずに食べて

「本当に何を頼んでもいいんですか?」「ここは母の店よ。遠慮せずに好きなものを頼んでお腹いっぱいになってね」
デンが思いついたのは食欲を満たす事だった。仕送りで生活しアルバイトしていないヨミは満足に食べられていない。
手足は細いのになぜか胸とお尻に栄養がいくヨミの体型はデンの好みだったが太ることを気にしている場合ではない。
「お待ちどおさま、ホッケの開き定食です」「ここでそれを選ぶのヨミ?」「だってホッケの開き高いんだもん……」
「お母さんデザートにパフェ二つ!」よほど気を遣っていると見えたデンは一緒に食べてヨミの心をほぐそうとした。

(019) デン親の馴れ初め

閉店間際の居酒屋で料理を待つヨミはカウンター越しに聞いてみる。「女将さん、先生はどんな子だったんですか?」
「この子は私に構って欲しくてしょっちゅう悪戯をしたけど、夫がこの店を始めた矢先に亡くなって余裕がなかった」
ほろ酔いのデンはヨミの肩にもたれかかって寝ている。ヨミは鞭で打たれて胸元や腕にできた痣を必死に隠していた。
「馴れ初めを伺っても…」言いかけたところで料理が出てきた。「お互い日本が好きで古民家を買ってリノベしたの」
女将はヨミの胸元を隠す手を払いのけた。「ここまで深く話したんだもの隠し事はなしにしましょうね、ヨミさん?」

(020) デン親の新婚SM

ヨミの白い素肌に付いた赤く痛々しい一筋の痣が女将の目の前であらわになる。ヨミとデンの肉体関係はバレていた。
「夫は日本のSMに特に強い興味を示した。それで人目を避けて私を縛るようになった。あの離れはそのための部屋。
夫は発売されたばかりのデジカメで縛った私の裸を何枚も撮るような変態でね」女将はスマホを見せるが画素は荒い。
「この子が多感な年頃でSMに興味を持って離れの鍵を持ち出したとき血は争えないと思って見て見ぬふりをしたの」
「そうだったんですか……」料理が冷める前に早く食べてと促されたが全く箸が進まなくなってしまったヨミだった。

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